人びとがお寺に求めていること

9月彼岸会法要の合間をぬって、お寺で合宿を行いました。

企画は、東京の出版プロデューサーです。経営者ばかり、20名が集まりました。30代後半から40代の若き経営者がほとんどでしたが、60代の方もおりました。

30代から40代というのは、お寺になかなか来ることのない年代です。

合宿は、1泊2日。午後1時集合、お昼を食べ、オリエンテーション。講座、住職の話。夕食、お風呂そして夜の坐禅。お酒無しの交流会で仲良くなり、翌朝は午前5時起床。坐禅、読経、作務。朝食、散歩、写経、講座とかなり濃い内容でした。

参加した人たちの感想はというと、大変好評でした。特に、坐禅、読経、写経が、よかったという感想でした。

中には、「何度も坐禅はした事があるけれども、夜の坐禅は始めて。たくさんの人と一緒に本堂で坐禅をして、暖かいモノに包まれているような一体感を味わい、涙が止まらなかった。」と感激した方もいました。

参加者の中には、ネット事業者もおり、「ネットを活用したお寺のプロモーションをやったら、盛り上がるだろうな!」と言い出すほど。次回ももし企画したら参加したいという方がほとんどでした。

お寺に生まれ、お寺に育ち、本山で修行した私にとっては、当たり前のことが、ほとんどの人にとっては、当たり前のことではなく、貴重な体験になることを理解しました。

お寺に泊まったと言うことだけで、よかったと言っていただけるのですから。

 

そして、毎月実施している坂東バス巡礼で、この合宿の話をしました。若い人がとても真剣にかつ、興味をもって体験をして驚いたとお話ししたのです。すると参加者の1人が私の処にやって来てこう聴くのです。

「その合宿は、どういった方に案内を出したのですか?」

とても興味があるというのです。今回の合宿は、別の方が主催したので、お寺からは案内はしていないと答え、マイクを取り質問しました。

「お寺の合宿に興味ある人!?」

「ハーイ!!」と予想もしない数、10名ほどの方が、手を上げました。

 

お寺の合宿に潜在的なニーズがあることが判りました。

 

人びとがお寺に求めていることは、もっとお寺のことが知りたいという事でした。どんな生活をし、何を食べ、何をしているのか?そして、もっともっと仏教のことが知りたい、もっと体験したいと願っていたのです。

30代40代の経営者が、坐禅や写経体験が心に残ったと言うことは、正直私は驚きました。そして、お寺の常識で判断してはいけないことを痛感しました。認識を改めなければ行けません。

かつて檀家さんを中心に、坐禅会を実施していました。ところが、これが来ないのです。まったく反応がありませんでした。なので、多くの人は、坐禅には興味が無い、参加したくないのではないか?!と勝手に思い込んでしまったのです。

檀家さんだけに限らず、広く求めている人を受け入れることが大事だと気づきました。

仏教をもっと知りたい

仏教をもっと体験したい

こう望む人が、沢山いることを知りました。

 

葬儀や法事だけでは見えてこないことが、一回の合宿で浮き彫りになりました。

仏教の教えを伝え、学び、生き方を知り、体験してもらう、これは、本来のお寺の在り方でもあります。

そして、住職は、その講師を勤めるのです。

 

墓地や永代供養だけを中心に進めるのではなく、

コンサートや映画会、講演会などのイベントを中心に進めるのではなく

仏の教えを中心とした寺院経営こそが、もしかしたら、人びとが集まり、参加者との縁が深くなるのかも知れないと考えています。

 

人びとが、お寺に求めていることと、お寺が人びとに提供しようとしていることのギャップが大きくなっているのかもしれません。

 

仏教体験をさらに本格的に取り組むべく企画していきます。

 

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