突き進めて、さらに一歩先へ

秩父には、札所があります。秩父札所34か所観音霊場です。およそ780年前に開創されました。

およそ100キロの行程を野山や田んぼの道を通り抜け、34の寺院を巡るのです。

巡礼というと四国88か所が有名です。人生の大きな壁にぶつかると四国お遍路に出かける人がたくさんいます。歩き遍路に出かけた有名人も多くいるのでご存知の方も多いと思います。

四国と共に有名なのは、観音霊場です。霊場そして巡礼の始まりは、西国33所観音霊場です。一番青岸渡寺のある和歌山県から始まり、33番華厳寺のある岐阜県まで、近畿一円をお参りする巡礼です。

関東にも札所があります。坂東33か所です。一番鎌倉杉本寺から始まり、33番千葉県那古観音まで、関東一円をお参りします。

江戸時代のはじめ、西国坂東秩父百観音巡礼と言い始めた人がいました。そのおかげで、今でも日本百観音と言えば、西国坂東秩父なのです。清水寺や浅草寺など西国坂東の寺院は、日本を代表する有名な寺院ばかりです。しかしながら、日本百観音としての歴史があるおかげで、秩父札所は、小さいながらも生き残ることができました。

西国坂東とは、まったく異なるポジションをとることで、秩父札所は、生き残ることができたのです。

毎年6月に日本百観音霊場連絡協議会総会が開かれています。私は秩父を代表して参加しています。

大変ありがたいことに、たくさんのお寺さんとゆっくり意見交換する機会を頂けています。

各地の札所は、一時期より参拝者が減少しています。秩父の札所も同じです。小さな霊場ですから、今まで以上に真剣に広報活動に取り組んでいかなければなりません。その覚悟はできたいたつもりだったのですが、見事に打ちのめされました。

世界遺産にも登録されているようなお寺さんでも、真剣にもっと参拝者を増やすことを企画し実践されていたのです。

傍から見ると何も心配することはないように見えるのですが、そうではありませんでした。たゆまぬ努力と実践の上に、多くの参拝者がお参りになっているということを知りました。

自分の考えの甘さに恥ずかしい限りでした。

 

寺院の大小は、まったく関係はないのです。どのお寺もたゆまず、ゆるまず努力を惜しんではいなかったのです。

その努力があって始めて、平穏そうに見えているだけなのでした。安穏とした毎日を過ごしているお寺さんなどないのです。

大きなお寺さんには、大きなお寺さんならではの悩みがありました。限られた時間でしたが、多くのお寺さんのお話を聞くことができて、手を抜くことなくやりつづけなければいけないと強く感じた次第です。

 

寺院経営には、課題がたくさんです。やることはいっぱいです。それを一人または、数人で取り組まなければなりません。

西国坂東は、まさに大企業です。大企業には、大企業の目指すところがあります。日本のほとんどの寺院は、小さいお寺です。いわば小企業です。小さいからこそできることがたくさんあるはずです。

秩父札所は、小規模事業所が集まった協同組合のようなものです。小さな寺院だからこそできるポジションを見つけて、経営に取り組んでいかなければなりません。

 

百尺竿頭一歩を進む。突き詰めて突き詰めて突き詰めて、やり切った上で、さらに一歩進む、この気概を忘れてはなりません。

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  1. 大黒様
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