あらゆるものは、うつろい行く

時代の大きな流れを感じています。これまで何度かお伝えしておりましたが、時代のうねりを感じざるを得ないのです。お寺は、間違いなく大きく変わります。変わらざるを得なくなります。

檀家制度は、いずれなくなるだろうと言われていました。90%以上のお坊さんが、いずれは檀家制度はなくなるだろうが、それはかなり遠い世界で、自分の代ではないと捉えています。しかし、どうもそうでは、ないようです。ものすごいスピードで、変わろうとしています。間違いなく変化の時代はやってきます。

今までは、感覚として感じた程度でした。ですが、今は、現実に変わり始めています。

時代の変化を一気に進めているのは、インターネットの普及と人口減少です。この影響を受けるのは、寺院も例外ではありませんでした。

一例を示すと葬儀のお布施があります。葬儀布施の定額化もかなり前から進められていました。しかし、これはごく一部の寺院だけでした。紙ベースで配られていた頃は、その寺院が存在する、その地域の一部で流布するに留まっていました。しかし、今は違います。葬儀定額化を実践する寺院が、それをネットに公開した瞬間、その情報は、誰の目にも触れることができるのです。

ネットで検索する人たちは、価格を比較します。葬儀の御布施も例外ではありません。

菩提寺を持たない人が、葬儀を依頼したいと考えた場合、優先順位が高くなるのは、何でしょうか?僧侶の人となり、住職するお寺の由緒ももちろんあるでしょうが、やはり金額になるでしょう。

葬儀にあたり僧侶をお願いしたいと考える人は、まずネットで検索します。すると実に多くのサイトがヒットします。しかし、そこには、お寺のサイトは極めて少なく、僧侶派遣関連サービスのサイトが並びます。その中から、施主が選ぶのです。お寺を選ぶのでも、僧侶を選ぶのでもありません。僧侶を紹介するサービスを選ぶのです。

施主が葬儀の次に、解決しなければならないのが、納骨です。これもまた、サイトで検索します。すると様々なタイプの納骨に関する情報が並びます。

地方では、まだ檀家制度が根強く残っており、そう簡単には、なくならないと感じている人も多いでしょう。ですが、この檀家制度を守っている人たちは、みな高齢者です。ネット対応がまだできていない人たちが、支えているのが檀家制度なのです。ネットが生活の一部になっていない人たちです。50代後半からは、もうネットは当たり前です。スマホの普及により、その少し上の世代もネットが生活の一部になってきました。

さらに下の世代になるとどうでしょう?わからないことは、ネットで調べることが習慣になっています。かなり専門的な知識も、いとも簡単に手に入る時代です。あらゆる業界で、知識の逆転現象が起こっています。お寺も例外ではありません。

今の檀家制度を支えている高齢者が亡くなった時を想像してください。菩提寺のことを引き継いでいなければ、菩提寺がどこにあるのかわからないという人が、どんどん増えていくでしょう?現実に、菩提寺に連絡せずに、荼毘にふし、その後納骨の段になって連絡が来るという事例をいくつも見聞きします。

菩提寺、檀家という意識が、どんどん薄れていく時代の流れを止めることはできません。

事実、ある県で、140ほどあった檀家がどんどん離れ、ついには、40件を下回り、維持することができなくなってしまったというお話を聞きました。住職は還俗し就職。一家は寺を離れて暮らしているそうです。

では、お寺は手をこまねていて、廃れていくのをただ待っていればいいのでしょうか?そんなことはありません。やることはたくさんあります。できることもたくさんあります。

幸い、時代の求めに応じて、先進的に取り組んでいるお寺や事業主が出てきました。先進事例の情報を収集しましょう。そして、自らの想いをまとめましょう。

そして、人とのつながりを大切にしていくのです。檀家制度のままで行こうが、新たな枠組みを模索しようが、正解はありません。ですが、基本は、人です。人とのつながりが、基本です。人とのつながりを重要なポイント捉える事は、変わりありません。

あらゆるものは、移ろい行くものです。だからこそ、足元をみつめ、確実な一歩を歩み続けたいものです。

 

関連記事一覧

  1. 大黒様
PAGE TOP